たく

存在のない子供たちのたくのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.0
レバノンの最底辺の暮らしを描いてて、暗くどんよりした話かと思ったら意外や意外で勇気をくれる映画だった。
予告編にもあった自分を産んだ罪で息子が親を訴えるギョッとするシーンから始まって、どうしてそうなったかを回想で追っていく。

貧しさから娘を売らざるを得ないっていうのは昔の日本にもあったよね。妹が初潮を迎えたのを隠すために必死になる兄のゼインが完全に大人で、世の中みんな敵みたいにバリヤー張らないと生きていけないのが観てて辛くなる。
家出して職探しするうちに遊園地で知り合った掃除婦の家で子守することになって、この赤ちゃんの演技が天才的に上手くて驚いた!
母親がとある事情で帰宅できなくなってからのゼインと赤ちゃんのプチ・ロードムービーが泣けて、ゼインのどんなことがあっても必死に生き抜こうとするたくましい姿に勇気をもらえる。

それにしてもこの国では11歳で結婚できちゃうというのが驚き。ググったら親の同意があれば9歳でも結婚できるんだって。
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