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存在のない子供たちのnonのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
3.8
原題「カペナウム」。レバノンが舞台。上空から撮られたスラム街の屋根の上の無数のタイヤが映し出される。とても印象的だ。今作の鑑賞中、トルコが舞台の「裸足の季節」の少女たちが浮かんだ。結びつくものがあるのかもしれない。妹想いの優しい少年ゼイン。ゼインの「育てられないなら産むな」という大人たちへの投げかけから実は大人たちにも「社会の中で見放された存在である」という苦しい現実が見えてくる。最初は糾弾されるべき存在として両親をみていたが、あの法廷でのやり取りを見ていたら彼らも被害者なのではないかという思いに変わった。一人の人間として尊厳ある暮らしが出来ることが子供たちの幸せに繋がるのだ。
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