負け犬チョンミ

存在のない子供たちの負け犬チョンミのネタバレレビュー・内容・結末

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『誰も知らない』ハッピーエンドVersion?

ゼイン君 及び 彼の周辺の人々の環境があまりにも過酷で、映画終盤まで、ただ、ただ、苦しかったです。
12歳か13歳のゼイン君の体格が、同じ日に見た映画『アマンダと僕』のアマンダ(7歳)よりも小柄であったことが、如何に過酷な環境で生活していたかを物語っていて、更に苦しさ倍。(欧米人とアジア人の体格差もありますが)
しかも、若年層の喫煙。 ←背が伸びなくなるやん、、、、、、

そして、ゼイン君に訴えられた両親も戸籍がないみたいで、無学。ゼイン君の妹を嫁として買った男も無学なのか無知。ゼインの周りの大人達は、彼らの生きてきた環境のせいで無知なだけで、皆決して悪人ではない。
映画を見ながら、本当にやるせない気持ちでいっぱいでした。

エチオピアからの不法移民ラヒルが、貧しいながらも惜しみなく息子ヨナスに愛情を注ぎ、ゼインの面倒も見る姿が数少ない癒しのシーンでした。

全般的に見るのが苦しいシーンが多い映画でしたが、ゼイン君が両親を訴えたおかげで、多くの人が救われると言うハッピーエンド。良かった。

キャストの皆さん、映画の中の役とほぼ同じような境遇だったみたいで驚きです。
特に、エチオピア出身のラヒル役の人が本当に不法移民だったみたいです!
この映画によって救われる人々はそこまで多くないと思いますが、少なくともキャストの皆さんには、この映画がきっかけで幸せになって頂きたいです。