なみ

存在のない子供たちのなみのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
5.0
コロナ再開後の再映に感謝しつつ。

もう本当に理不尽な中でも、優しさを忘れず、家族を大切にし、懸命に生きる彼に、色んな想いが胸を過ぎる。

教育を受けさせてもらえなくても、彼はとても聡い。
それは生きていく上で必要なことでもあったのだろう。

彼の底の底を見つめているような諦念の目は、バハールの涙の彼女のそれを思い出させる。

この世の中にあまりにも沢山の理不尽が溢れている。
両親の浅はかさに確かに呆れるけれども、事はそう簡単じゃない。
いくつもの原因の上の、この環境に、どう世の中を良くしたらいいのか、できるのか、思いを馳せる。

ゼインの叫びが胸に響く。

そしてこれが創作されているなんて、ただただ感嘆。
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