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アップグレードのJIZEのレビュー・感想・評価

アップグレード(2018年製作の映画)
3.6
最愛の妻の命を奪われた夫が人体実験の被験者となり復讐に身を転づる姿を活写するスリラー映画‼︎ジェイソン・ブラムが製作に名を連ねてる経緯から興味を得てみた。簡潔に『ジョン・ウィック(15,17,19)』シリーズでの身を心もボロボロにされた男が報復を誓う要素と『アイアンマン(2008年)』での人工知能を搭載するメカ要素を組み込んだ内容である。ぶっちゃけ全編は既視感プロットであるが何層かに連なる構造や妻を殺害した動機は?など時間をかけて丁寧に描き込んでいる印象をうけた。映画の冒頭では幸福の絶頂が描かれ、生き甲斐を喪失した主人公が後半では後先省みずに暴れまくる。また主人公と同じ人工知能を搭載した人間が同世界観内にいる設定やジワジワ追い詰めてボスの居所を突き詰めるくだりは王道フォーマットに沿い我々観客をたのしませてくれる。またゴア描写にしても鮮烈でまあまあなシーンが過激につるべ打ちされる。場面は変われど基本一対一で戦闘シーンを堪能させてくれるためアクションに特化させたスリラー映画か。苦言を呈せば主人公自身が割と終盤までは受動的に"ステム"とよばれたAI機能の指示に従って動くだけなため殻を突き破る瞬間が映画全体で観てもあまりない。戦闘能力の覚醒や機能停止など揺さぶってはくれるが、それ以上に何かひっくり返す要素はなかったか。。最後で驚愕の事実が明かされるくだりでも意見が割れる終幕である。おれ的には事実を事実として真っ正面から美化せず振り切っていて嫌いではなかった。というよう長年使い古された量産型のプロットではあるが軽量感覚で報復系SFスリラーを浴びたい者には手堅くおすすめしたい作品だ。
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