Sinamon

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のSinamonのレビュー・感想・評価

4.1
筋ジストロフィーにかかりながらも自らの夢や欲に素直に生き、皆に愛され続けた実在の人物・鹿野靖明さんと、彼を支えながらともに生きたボランティアの人々や家族の姿を描いた映画です。

最初のシーンで一人暮らしをしている鹿野さんが夜中なのに「バナナ🍌が食べたいから買って来て」とボランティアの人に言うくだりでは何てわがままな人なんだろうと思いました。

それがラストでは何て素敵で素晴らしい人なんだろうと思いました。

ストーリーが進むにつれ鹿野さんの事がどんどん好きになっていきました。

子供の頃から筋ジストロフィーという病と向きあい、お母様に憎まれ口を言うのは親御さんに負い目を感じて欲しくないからだと分かるシーンには涙しました😭
親御さんも鹿野さんも前向きに生きていて素晴らしいと思いました。

ボラの方々も鹿野さんに振り回されながらも、鹿野さんが正直者でとても思いやりのある素敵な方だから、皆さんがボラをかってでたのだろうと思いました。

ボラの方々もすごく楽しそうに介助していて、介助しているされてるだけの関係ではなく1つの家族のようでした。

鹿野さんの言葉一つ一つに思いやりがあって沢山の言葉が心に残りました💖

鹿野さんにはやりたい事があってその夢に向かっている姿を見て、私にもまだまだやれる事があるのではないのかと前向きになれました。

この映画は恋愛模様も織り込まれていてそこが又良かったです。
鹿野さん、田中君、美咲ちゃんの三角関係を見てハラハラドキドキさせてくれてこの映画をより良いものにしていました👍️ .
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大泉洋さんが悩み苦しみながらも明るく振る舞い、言いたい事を言いまくるわがままな障害者役という難しい役柄を、表情や声、少ししか動かない手の動きだけで鹿野さん役を見事に演じていて素晴らしいと思いました。

高畑充希さんの自然体の演技も、この映画に溶け込み、鹿野さんと弱気な医大生の彼氏の田中君の支えになっている役で、とてもキュートで素敵にこなしていました。

三浦春馬さんは親が医者であるがために医者になる道を選んだのに、自分には医者に向かないのではないかと悩み、弱気な医大生役で鹿野さんと途中から距離を置きながらもいつも鹿野さんの事、美咲ちゃんの事を思っている優しい役柄を演じられていてとても素敵でした。

脇を固める俳優さん方も適役でキャスティングが素晴らしかったです。

エンドロールにご本人の映像と共に延べ500人のボランティアの方々が鹿野さんを支え、今でも鹿野さんのお母様のもとに集まると書かれてあって胸が熱くなりました💧
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