ふむふむ

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のふむふむのレビュー・感想・評価

4.5
この映画のもととなった実話があったこと、鹿野さんが実際に生きていたこと。その事実にどうしようもなく救われる作品。

病院の中で機械に繋がれて生きるより、自立した自宅での生活を求めた筋ジストロフィーを患う鹿野さん。24時間誰かがついていなきゃいけない彼のために、総勢500人のボランティアが動いた。それってすごいよ。すごすぎるよ。

ボランティアの1人、高畑充希演じるミサキはある日言った。

「なんか逆だね。私が鹿野さんに励ましてもらってる。」

サポートする側とされる側、励ます側と励まされる側。障害を扱う作品や世間の風潮はそんな関係性で描かれやすいかもしれない。

大泉洋演じる鹿野さんはミサキにこう答えた。
「僕達は対等だよ。ひとりの人間と人間だ。」

これは、この作品のパワフルで、なのにある意味繊細で、ついつい日常で見逃されてしまう大事なメッセージ。障害に限らず二項対立で語られがちな世の中に生きてても忘れたくない。忘れちゃダメだと思った。
ふむふむ

ふむふむ