カント

モンパルナスの灯のカントのレビュー・感想・評価

モンパルナスの灯(1958年製作の映画)
4.0
画家モジリアニ(モディリアーニ)の破滅的な恋と、報われない半生を描く。

……私がモンパルナスへ行った理由は日本人の洋画家、佐伯佑三の「扉」が描かれた場所だったから。作品の中の【27】と言う番号プレートを見つけた時は(ここで死にたい)と思った程です。(以上……私とモンパルナス😅)

▼元・画商(物故専門)の立場から言えぱ…はっきり言って画家の芸術性なんてニの次です。その画家にどんなドラマがあったのか、どれだけ不幸を背負いながら絵筆を握っていたのか。そのドラマがセンセーショナルで、画家の画業がブレずに透徹していれば尚良し。モジリアニは、その条件にドンピシャだったんですね。

▼1人の画家を取り上げた映画は、数える程しかありません。その大半はエコール・ド・パリ時代周辺の画家が多い感じですね。稀に「フリーダ・カーロ」や「マルメロの陽光」の様な作品もありますが💦
ちなみに日本人の画家を扱った映画・ドラマは数える程で…北斎、岡倉天心、藤田嗣治、熊谷守一など。TVドラマで山下清、棟方志功など、本当にごく僅か。
誰か「小山田ニ郎」の映画を作ってみませんか?出資しますよ😉✨
商業的に成功しそうなのは「岡本太郎」かな😅主演は鶴太郎でどうでしょうか😌✨

▼この映画はモジリアニ伝説を語る上で欠かせなくて、逆に…この映画のお陰でモジリアニの名声が確立された💡と言っても過言じゃないような気がします。
所で…劇中の個展で問題になる「髪をほどいた横たわる裸婦」ですが…現在どこにあるか💡と言うと…日本に有るのです😆✨大阪に有ります。
大阪の美術ファンは御存知だと思いますが【大阪新美術館建設準備室】に保管されています。

その【準備室】は前述の佐伯祐三の作品を軸に、寄贈作品を含め約5000点の作品が集まっているそうで💡開館したら東京の美術館を凌ぐ規模になるでしょうねー💡
モジリアニの「裸婦✨」見に行くから待っててね~❤

▼本作中で印象的なのはファム・ファタールのジャンヌとの出会い。
「今なら全宇宙を描く事が出来る」と嘯くモジリアニの喜悦が爆発したセリフが素晴らしい。

フランスの女優さんって美人だなー。飲み屋キュイジーヌの女将も綺麗だし、ボタンを縫い付けてくれた子も可憐。
……画商モレル氏の言葉が痛烈。
「モジリアニが生きてる間は売れない。死んだら全部買うよ」
その気持ち、すごーく分かる。
日本画の平山郁夫先生が亡くなった時、どれだけの画商が喜んだ事か。
私も何人か「早く死なないかな」と思っている画家が居たりします😅
カント

カント