モンパルナスの灯の作品情報・感想・評価

「モンパルナスの灯」に投稿された感想・評価

kedama

kedamaの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

芸術史に疎いのでモジリアーニの存在を知らなかったが、観賞後思わずググってしまうインパクト。

芸術家の苦悩、献身的に寄り添う妻、理解のある友人。芸術家を扱った映画のテンプレのよう。
ファッション的にも見所ばかり。

グッと引き込まれる素晴らしい作品であった。
画家モジリアニ(モディリアーニ)の破滅的な恋と、報われない半生を描く。

……私がモンパルナスへ行った理由は日本人の洋画家、佐伯佑三の「扉」が描かれた場所だったから。作品の中の【27】と言う番号プレートを見つけた時は(ここで死にたい)と思った程です。(以上……私とモンパルナス😅)

▼元・画商の立場から言えぱ…はっきり言って画家の芸術性なんてニの次です。その画家にどんなドラマがあったのか、どれだけ不幸を背負いながら絵筆を握っていたのか。そのドラマがセンセーショナルで、画家の画業がブレずに透徹していれば尚良し。モジリアニは、その条件にドンピシャだったんですね。

▼1人の画家を取り上げた映画は、数える程しかありません。その大半はエコール・ド・パリ時代周辺の画家が多い感じですね。稀に「フリーダ・カーロ」や「マルメロの陽光」の様な作品もありますが💦
ちなみに日本人の画家を扱った映画・ドラマは数える程で…北斎、岡倉天心、藤田嗣治、熊谷守一など。TVドラマで山下清、棟方志功など、本当にごく僅か。
誰か「小山田ニ郎」の映画を作ってみませんか?出資しますよ😉✨
商業的に成功しそうなのは「岡本太郎」かな😅主演は鶴太郎でどうでしょうか😌✨

▼この映画はモジリアニ伝説を語る上で欠かせなくて、逆に…この映画のお陰でモジリアニの名声が確立された💡と言っても過言じゃないような気がします。
所で…劇中の個展で問題になる「髪をほどいた横たわる裸婦」ですが…現在どこにあるか💡と言うと…日本に有るのです😆✨大阪に有ります。
大阪の美術ファンは御存知だと思いますが【大阪新美術館建設準備室】に保管されています。

その【準備室】は前述の佐伯祐三の作品を軸に、寄贈作品を含め約5000点の作品が集まっているそうで💡開館したら東京の美術館を凌ぐ規模になるでしょうねー💡
モジリアニの「裸婦✨」見に行くから待っててね~❤

▼本作中で印象的なのはファム・ファタールのジャンヌとの出会い。
「今なら全宇宙を描く事が出来る」と嘯くモジリアニの喜悦が爆発したセリフが素晴らしい。

フランスの女優さんって美人だなー。飲み屋キュイジーヌの女将も綺麗だし、ボタンを縫い付けてくれた子も可憐。
……画商モレル氏の言葉が痛烈。
「モジリアニが生きてる間は売れない。死んだら全部買うよ」
その気持ち、すごーく分かる。
日本画の平山郁夫先生が亡くなった時、どれだけの画商が喜んだ事か。
私も何人か「早く死なないかな」と思っている画家が居たりします😅
ninjiro

ninjiroの感想・評価

4.7
若い頃、絵を描くのが得意だった。
というよりも、絵を描く事以外に取り柄らしい取り柄も無くて、高校生になっても勉強なんてからっきし駄目で、親はよく言っていた、「お前はきっと大人になったら生きるのに苦労するだろう」と。
それとは反対に、美術教師を始めとする教師たち、親しい友人達は、きっと君は絵やそれに関連する仕事に就いた方が良いと言っていた。
当の自分はどうかと言えば、親の心配は杞憂で、その他の人たちの言葉も無責任な戯言だと斬って捨てていた。何故なら、私は既に中学生の時にこの作品に出会っていたからだ。

というのは責任転嫁が過ぎると思うが、実際自分の身の振り方を考えるに当たって何の影響も無かったかと言えばそれは絶対に無い。
今を生きるにあたって今後自分が勝ち得るかもしれない自信との対話を真剣に行う切っ掛けとなったのは間違いない筈だ。

人に認められないという悲しみ。
その容易に想像できる苦悩を、壁に掛けられた絵をその絵に描かれたそのままを額面通りに鵜呑みするように、悲しみは苦悩のままに、苦悩は傍目には悲しみのままに、ガス燈の灯は循環する血液の齎す発露のように、モンパルナスの霧の夜に微かに灯る明かりのように、希望はあっても掴み所など何処にもない。ただ僅かな希望であり道標であるのは誇り。
逃げ回る事など幾らでも出来たはずの回廊、出口など何処にもない筈の迷路など、実は運河沿いの退屈な道に等しく、それを兎角の言い訳や弾みで勢い言ってしまって引っ込める荒い言葉のように、曲がり道も真っ直ぐの道も同じく伴走する想いに照らされて、握った手は血で滲んで、心も愛しい、かれもかれらもかえすがえすも愛おしい。

カメラは動く。彼のプライドがズタズタにされるのを予め小さく回避するように。
雨は激しく降って、被った帽子の鍔や外套の肩に当たって弾けて、何処かに滲む。
やたらめったらでなく、静かに響く愛の言葉はきっと、永遠に忘られることなく。
【死んでから絵は売れるものだ】
芸術家というものは、命を削って制作することが多い。ゴッホを筆頭に、他人よりも自分を痛めつけることで創作威力が生まれる。この作品の主人公アメデオ・モディリアーニも浴びるように酒を飲む。
ピカソのように前衛的な作風だけれども、彼の作品の多くは肖像画。どれも悲観的な表情をしている。彼の絵を見て「怖い」と言う人も多いと思う。私もいつかの展覧会で彼の絵を見て何とも悲痛な印象を受けたのを覚えている。そうか、彼はこんな人物でこんな人生を歩んでいたのかと、この作品を通して知ることができた。
絵を描きながら、酒を飲み、女を抱く。面白いのは、彼は女だけでなく男にもモテたと言うこと。決して同性愛的な意味ではなく、破滅的な彼を必死にサポートする隣人がいたりする。彼が画家じゃなければ、きっと善良な良い人間だったんだと感じる。狂おしいほど愛し合う妻ジャンヌも、荒れ狂う旦那を献身的に支える。彼を愛しているし、彼の才能を信じている。
才能がありながらも、痛々しい自己犠牲がやめられない芸術家の伝記映画は多くあるけれど、さすがベッケルである。伝えたいのは芸術家の人生だけでなく、生きている間では日の目を見ることのない不条理さと、彼を取り巻く意地汚い人間たちの姿である。結局芸術はビジネスなのだ。描く人間と買う人間との価値観の違いが恐ろしい。エンディングでは、人間の恐ろしさが露骨に描かれており、そこら辺のホラー映画より怖くて最高のシーンだった。
h

hの感想・評価

5.0
画家モディリアーニの人生を描く。

ゴッホ最期の手紙を見たときはゴッホの強烈なタッチと色彩に魅力されたけれど、
ベッケル監督の本作はモノクロ映画で、
決して見飽きない、素晴らしい作品!

まず登場する女性たちが皆丁寧に描かれていて、特にジャンヌを演じたアヌーク エーメの美しさに魅力される。ローラとは対照的な役柄で、清楚でモディを愛し続ける、温かい心の持ち主。

ジェラールフィリップはモディリアーニを上手く演じたと思う。ジャンヌに惚れ込んで幸せそうな時、絵が売れず狂気になる時があるが、素晴らしい演技だった。
彼の硝子のような瞳がとても美しい!
画商モレルが彼の後をついて来るシーンの音楽と映像は最高だった。

辛くても言葉にないことを言ったり言われたりしても、心から愛し合ってた二人。
けれどやはり永遠の愛なんてない...。
ラストシーンは悲しい気持ちと同時に鳥肌がたった。
これからもジャックベッケルの作品をもっと見たい。面白かった!^ ^
Toku

Tokuの感想・評価

5.0
気になった音楽たち
Taxi vers le Ritz/Paul Misraki
Sur son lit…/Paul Misraki
Mort de Modigliani/Paul Misraki
Montparnasse/Paul Misraki
Meg

Megの感想・評価

4.0
美術の授業で後半50分を鑑賞。
生きていればピカソに匹敵していたであろうモディリアーニ。
彼が死んだら全作品を買うと言う画商。なぜ多くの芸術家は死後にしか作品が売れないのか…
ta

taの感想・評価

4.5
死に向かう人間に対峙したときの自分の無力さを思い出す。精神にしろ肉体にしろ。ジェラール・フィリップの演技はそれを演技と呼ぶのに臆するほどだった。
nattsumin

nattsuminの感想・評価

3.0

伝記もの映画はあまりみたことなかったけど、思ってたより飽きずにみられた🙂
エンディングはかなしい
ジャック・ベッケルに外れなしだなぁ。無邪気な俗物のアメリカ人金持ちより、絵の価値を分かっていながら買い時を待つモレルのような画商の方がずっとタチが悪い。あいつ本当に死神じゃねーか。妻のジャンヌも、モディが死んだ二日後に自殺してるんですね。なんという夫婦。モディの芸術家っぽい不器用な生き方はもどかしいけど、助けてやりたいと思わせる不思議な魅力がある。ジェラール・フィリップの上品さを失わない悲壮感が見事だった。ヤケになっても絵を描くことは止めないし、妻を思う心も残っている。現実と上手く折り合いが付けられない中で、生きるために酒場でスケッチを売り歩くような努力も見せる。ただの破滅的な人物でないところがいい。
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