塚本物語

天国でまた会おうの塚本物語のレビュー・感想・評価

天国でまた会おう(2017年製作の映画)
4.5
〈story〉
1918年、休戦目前の西部戦線。
生き埋めにされたアルベールを救ったエドゥアールは、その時に顔に重傷を負ってしまう。
パリに戻った二人を待っていたのは、戦没者は称えるのに帰還兵には冷たい世間だった。
仕事も恋人も失ったアルベールと、生還を家族にひた隠しにするエドゥアール。
そこに、声を失ったエドゥアールの想いを“通訳”する少女が加わった。
一度は負けた人生を巻き返すために、彼らは国を相手にひと儲けする大胆な詐欺を企てる。
だが、そこには隠された本当の目的があった──。
(ホームページ http://tengoku-movie.com/ より)

〈感想〉
あらすじでは「詐欺」を強調しているが、重要なのはエドゥアールとアルベールの友情の方だと感じた。
ストーリーはオチも含めてハッピーエンドで心が温まるが、目新しさはなかったように思う。
本作の最大の魅力は世界観にある。舞台全てが幻想的と言うわけではない。
エドゥアールとアルベール、そして幼女の暮らす屋根裏部屋にとても惹かれる。
それと、エドゥアールを演じるナウエル・ペレーズ・ビスカヤートの喜劇的な演技だ。
作中に出てくる沢山のお面と彼の動きが、非現実感を演出している。

パンフレットに「現代芸術」を意識しているとあったが、そこの部分を意識してみると、美術道具をもっと面白く観ることができると思う。

塚本の好きな作風だったので、高評価!!
原作があると言っていたが、あの素晴らしい雰囲気は映画だからこそ出せたものだと思うのでぜひ劇場へ…。
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