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天国でまた会おうのchaooonのレビュー・感想・評価

天国でまた会おう(2017年製作の映画)
4.1
第一次世界大戦の戦闘の中で、一命を取り留めた2人の男の奇妙で、儚い物語。

とっても良かった。映画を観ている間中、この映画が持つ不思議な雰囲気や彩りに酔いしれた。
でもいざレビューを書こうと思ったら、この感覚を上手く書けず、早1ヶ月…。
結局レビューが纏まらず、取り留めない文章になってしまうけど、残しておきます。

戦争の凄惨さ、歪さ。
社会の偏見がもたらす親子の気持ちのスレ違い。

顔の半分を失くした男が創る数々の仮面が美しく見惚れる。

一番好きなのは、復讐に赴く時の装い。
大金を纏って踊る姿もとても独特で好き。

シカゴスタイルでのパーティで催される"処刑"も実にシュール、ここも好き。

美しい青い瞳が見せる表情と、僅かな発声、身体の動きで感情豊かに演じるナウエル・ペレ・ヴィスカヤーに魅了される。

彼の言葉や想いを孤児の少女ルイーズだけが的確に代弁出来るのが、不思議でありながらとても心地よい♬

最後に彼が身に付けた青い鳥の仮面は異質ながらもやっぱり美しい。
"青い鳥"は幸せの象徴。
大切な物は最も自分の身近にあった。
モーリス・メーテルリンク作童話『青い鳥』、作品主題は「死と生命の意味」だそう。
宙に羽ばたくような、自由な姿が美しく儚かった。

戦後の辛い状況で生き抜くため、復讐のためとはいえ、モラル的に正しかったとは言えない彼らの行いの結末が、あんな感じで転ぶのは意外ではあったけど、ラストは湿り気のない、妙にカラッとした清々しさが漂う。
悪役が徹底的に悪役として役割を担っていたからかも?

それと本筋とはズレるけど、フランス女性の強さというか、結婚に対する合理的な価値観になんだか変に関心してしまった。
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