今までいくつかのドキュメンタリーを観てきましたが、こんなに衝撃的だったのは初めて。
観た後に魂が抜けていくような気持ちになりました。
彼の家族、共に働いた人達、そして支援者、本人のインタビューも交えてのそれらが彼の心を丸裸にし、その時々の彼の気持ちが手に取るように理解出来ました。
生活保護を受けながら洋服を作っていた頃が、一番幸せだったのではないだろうか。
次第にファッション業界に蝕まれていくのですが、でもそのショーの素晴らしさは筆舌に尽くしがたいもの。
まるでレイプされた後のような、破れたストッキング、胸もあらわな破けた上衣、見えそうなくらいの短い丈のパンツを身に纏って歩くモデル達
精神病棟内を感じさせるような室内に大きく不気味な箱
その周りを異様な雰囲気で這いずり回るように歩くモデル達
こんなパフォーマンス、ランウェイを初めて見ました。
心が揺さぶられる様なショーでした。
人々に愛と美を与える様に生まれついた人達の孤独をこの映画もまた教えてくれました。
リー・アレキサンダー・マックィーン、その存在を知る事が出来て本当に良かったです。