ちっさい時、風邪で寝込んだ時に腐るほどビデオで観た映画の一つにアニメ版アラジンがある。
故に吹き替えでの鑑賞。
オープニングのアラビアンナイトには劇場でこれを聴けるのかという感動があった。というかここがピークだったかもしれない。
全体として楽しめる映画になっている。なにせあのアラジンだぜ？
しかし痛感したのは実写化の価値がどこにあるのかという点。
すでにあるコンテンツを現在の技術で焼き直し、今の時勢に合わせた価値観などで手入れをして再提示する。にはうってつけなのだという理屈はわかるし、新曲で示されたテーマを今ディズニーが打ち出したいものなのだということはわかる。もちろん追加要素やら設定変更も効果的に働いている。
ただ、俺がこの映画で良かったと思ったのはジーニーのキャラだし、まるで生きてるみたいなじゅうたんの描写だし、ジャスミンの凛々しさだし、アラジンの三つ目の願いのシーンだったわけで、よくよく考えるとアニメ版で十分伝わるものたちばかり。ともすれば、アニメ版の方が効果的なものが多いといってもいいくらい、今作のミュージカルシーン、その他のカメラワークやら演出のチープさには驚いた。
もちろん意味はある。価値もある。
その上で、実写故の、今の技術故の、コンテンツの消費を超えた実写化映画を観てみたい。
ライオンキングとか本当に価値がないのではと思っているのだがどうなのだろうか。
