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ペット・セメタリーのわにのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(2019年製作の映画)
1.6
ホラーとサプライズの違いをまざまざと見せつけられた。もちろん、後者。
脳が露わになるほどのグロテスクな死体を見せ、スモークをガン焚きし、不協和音を響かせれば誰だってサプライズを作ることができる。ただそれは身の毛もよだつような恐怖ではなく、まるでマッチングアプリで見つけた相手との一回きりのセックスと同じようなもん。その快感を味わいたければ悪いものではないかもしれないが、それが抜けた時になにも残らなくなる。
脚本もなかなかのもの。死に向き合う医師という設定で医学的な死、地獄や天国といった言葉に代表される宗教的な死、そしてサブリミナル的に挿し込まれる哲学的な死。盛り込みに盛り込んだものの、結局この映画における「死」とはなんだったのか一切分からない。説明セリフで満ち満ちていたのに。
いかにゲット・アウトが優れた映画なのかわかりました。
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