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スパイ in デンジャーのRのネタバレレビュー・内容・結末

スパイ in デンジャー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2020年のアメリカの作品。

監督は長編初監督のトロイ・クエインとニック・ブルーノ。

あらすじ

スパイエージェントのランス・スターリングはどんな危険なミッションもスマートにこなす最強のスパイだったが、ある任務で汚名を着せられ、情報局をクビになった発明家のウォルター・ベケットを頼り、彼が開発した「透明になれる薬」を飲むが、手違いで、なんとランスは鳩になってしまう!

妹がディズニープラスに加入したので、提携で観せてもらうことに成功し、まずはプラス独占配信の本作をチョイス。

制作はピクサーでもドリームワークスでもなく、「アイスエイジ」シリーズなどのブルースカイ・スタジオということであんまり期待してなかったんだけど、これがまた抜群に面白かった。

お話は上記の通り、声を吹き替えているウィル・スミス(「バッドボーイズ フォー・ライフ」)まんまなスパイのランスが科学班のウォルターの発明によって、なんと鳩に変えられてしまうというもの。

このランス、007的に完璧超人で、それでいて「群れない主義」を貫いていたんだけど、そんな彼が「群れ」を象徴するような鳩に変わってしまうという皮肉っぷりがおかしい。

鳩の本能に抗えず、落ちている食べ物を啄んでしまったり、道中でラヴィー、ジェフ、クレイジーアイといったどこかクセのある本物の鳩たちと交流を育む場面は確かにディズニーらしい面白みがあった。

ただ、そんなランスと併せて、というか実質的な主役を担うのはウォルターでもある。見た目草食系の感じから内気なキャラなんかなーと思いきや、意外にも自身の研究に一直線なマッドサイエンティストキャラなのが面白い。ランスが鳩に変わる中で意識が混濁しているのに、その目まぐるしく変わる体調の変容のみを観察している様なんか、もはやサイコの領域だ笑。

ただ、だからこそ組織の中ではポテンシャルはあれど、異端扱いされた挙句クビになったり、ランスからも煙たがられる。

ただ、そんな扱いでもそんなにダメージを受けることなく、ランスに対しても子犬のようにキャンキャンついてくる感じなんかはこちらも吹き替えたトム・ホランド(「ドクター・ドリトル」)のキャラに合っていて、やはりこちらも当て書きされたキャラなのかな?

そんな凸凹コンビな2人(と鳩たち)は事態の真相を突き止めるため、潜入操作なんかをしたりするんだけど、テンポも掛け合いも良く、ギャグシーンも随所に織り込んでおり、楽しい。

しかも、そんな中で徐々に「バディ」としての関係性も築いていく2人。でも、だからこそシリアス全開なラスボスの義手男を相手取る際にあえて危ない目に合わせないように追い返すランスが優しくも哀しい。

でも、ピンチの時にはいつも、そばにいる、それがチームだろ?と駆けつけるウォルター。ランスも「群れない主義」の考え方を捨て、遂に本当の意味での「変人チーム」結成の流れは熱い!!

で、最終局面では義手男相手の策略によって、ドローンによる組織関係者虐殺を防ぐための戦いが繰り広げられるんだけど、ここがまためっちゃ楽しい!!

それまで要所要所で使われていたウォルターのガジェットが遂に火を吹くシーンとなっているんだけど、冒頭でも掴みとして使われた「ラメ猫」をはじめ、バブルガンやスクリームチーム、セキュリティ毛布、果ては映える「50通り(フィフティシェイズ)・オブ・イェイ」といった、まるでドラえもんのひみつ道具的な絵的にもド派手なバトルが展開!!

一見すると変な道具もその発明者のウォルターと一緒で使いどころによっては活躍できる!という意味合いでもまさに本作の面白さが詰まった楽しいシーンだった!

なんというか、観終わった感じが「曇り時々ミートボール」的な「舐めてた映画が大傑作」だったみたいな満足感。そちらのフィル・ロードとクリス・ミラーのコンビのように今作のトロイ・クエインとニック・ブルーノ、今後更に化ける可能性がある気がする!そんな意味でもディズニープラス加入者は要チェックな一作だ!
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