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ハナレイ・ベイのthurのレビュー・感想・評価

ハナレイ・ベイ(2018年製作の映画)
3.8
自然に“側”というものがあれば救われたかもしれない。それがないから、なぜ死なねばならなかったのかが判らない。押し入れの奥に押し込めてしまった過去は月日の経つごとにその不在と強ばりを強めてゆく。海の波が砂浜を洗うように容易くは決して透いてくれない。遺された者が生きてゆくには。村上はそれをばかり幾度も、様々な形に換えて書き伝えている。そこにある不在を手のひらのうえにまず載せること。話はそれからなのではないか。
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