蛇らい

ピーターラビット2/バーナバスの誘惑の蛇らいのレビュー・感想・評価

3.6
導入はビアとマクレガーの結婚祝福ムードから始まり、前作よりも和やかな雰囲気で始まったかと思いきや、しっかりと期待に応える。

序盤から畑の野菜しか食べてこなかったうさぎたちが、ゼリービーンズを食べた瞬間、砂糖によりトリップ(視覚効果付き)という飛ばしっぷりに笑いが溢れる。毎度やりすぎだろと思う人間のボコボコ加減もご愛嬌。

街で出会うバーナバス率いる窃盗集団との連携したアクションでは、ガイ・リッチーのクライム作品を彷彿とさせるようなスローモーションとキャラクター紹介のテロップで、笑いに拍車をかける。前作を観た人が楽しめる要素も盛りだくさん。

劇中でのピーターラビットの原作者であるビアが出版社から持ちかけられる様々な商業的な戦略の滑稽さは、実は制作サイドが実際に映画化する際のクリエティブ面の再現であるという自虐もチャーミングだ。

実際に動物たちを取り返すシークエンスでは、会議室でディスカッションされていた演出を取り入れ、時間的にも内容的にも半ば無理矢理に見えるアクションシーンを、ユーモアを交えてまとめ上げた。

愛すべきキャラクターは、緻密なディテールの再現に留まらず、本作のような柔軟な思考回路から生まれる功績なのだと実感させられた。お話もしっかりとまとまっている。
蛇らい

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