マイケル・ケインがナビゲートするスウィンギン・ロンドン。
数年前のカンヌで「もう演じられるのは老人か死人だけ」と言ってたマイケル・ケインが、ゴリゴリのイギリス階級社会で生きてきた親たちを楽しそうにディスり、人生最良の時代をきらきらした目で語り、現代のロンドンをアストンマーティンで駆け抜ける姿が最高にカッコよかった。
「みんなが百万回も見たニュース映像は使いたくなかった。」という編集のベン・ヒルトンの言葉どおり、見たことのなかった貴重な映像ばかり。
ツィギーやマリアンヌ・フェイスフルはもちろん、ミックもキースもポールもジョンもみんな可愛い。
「女性の服に大事なのは、注目されること、セクシーなこと、気分が上がること。暖かさは要らない。」と言い切るマリー・クワントに痺れる。
好きな哲学者についてツィギーと押し問答するイケ好かないインタビュアーがカメラの方を振り向いた瞬間、その正体に思わず変な声が出た。
そんな貴重な映像に乗せて現在の本人たちが語る60年代ポップ・カルチャー。凄みが凄い。
ロックもモッズもラジオ・キャロラインもミニスカートもカーナビー・ストリートもBIBAもサスーンカットもみんな本物。
マリアンヌ・フェイスフルのしゃがれた声を聞きながら、あの時代に憧れつつも、そんな彼らの今が見れるこの時代もありだなと思いました。