大森監督でカラフルなジャケなんでセトウツミみたいな軽く笑えるやつかと思ったらとんでもない映画だった。
観客が見たいものを遥かに超えて見せてくれるのがエンタメだけど、
俺たちが見たくないもの、見て見ぬ振りをしてきたものを眼をこじ開けてみせてくるのが「タロウのバカ」
コンプラを気にしすぎる企業、失言をSNSで叩かられる著名人。今の日本でこの映画を撮った監督もすげえし、既にスターの菅田くんがこの役を受けて演じきったことは本当に凄いと思うし、ハングリーな役者だと思った。
舞台は足立区の北千住土手あたりでおれの地元と近く、おれはもう少し埼玉寄りで育った。
コチラ側(埼玉)とあちら側(東京)を隔てる千住新橋はメキシコとアメリカの国境を超えるようなイメージをもって大人になった。そんな国境堺で暮らす3人のボーイズを通して今の日本の社会問題(見たくないもの)をみせてくる。ただ過激なものを撮ってるわけじゃなくストーリー、演技、映像どれも凄みがあった。
冒頭の國村隼の古いヤクザと半グレ野郎のやりとりは最初は意味わからんけど、仁義が死んだ現代日本の溜まった膿を始めまーすって合図か。
こんなんすぐに警察に捕まるっしょと思いきやそっか足立区ならありえると納得してしまう俺がいた笑。