すえ

天使のたまごのすえのレビュー・感想・評価

天使のたまご(1985年製作の映画)
4.1
記録

【変態だ!】

美麗な映像と壮麗な音楽で紡がれる、寓話的な作品。かといって意味不明というわけでもなく、エッセンスは随所に散りばめられている。作品はその欠片を提示するだけであり、そのピースを繋ぎ合わせひとつの大きな総体を作り上げるのは紛れもない私たち自身。

横溢する水のイメージや、何処と無く漂う死の雰囲気からタルコフスキーを想起させる。言葉的に気持ち悪い表現にはなるが、空虚に満ち溢れている。

そして、なんと言ってもエロい。とにかくもうエロいのだ。俺はロリコン趣味はないはずであるのにも、少女がこんなにもエロティックに映る。きっと誰の目でもそう映るはずである。

無垢である処女をイメージさせると同時に、卵(命)を抱える母としての像も合わせ持っている。あどけなさと母性がその小さな肉体に宿っており、その不自然さがなんともいえない。

少女は男にヤリ捨てされたのだ、これはヤリ捨て映画である(違う!)。

また、おそらくノアの方舟にも絡められていて、聖書も踏まえているのだろうけど捉えきれなかった。勉強不足。

『天使のたまご』は押井守という稀代のアニメーション作家を産み落とした。

2023,268本目 10/15 AmazonPrime
すえ

すえ