たく

天使のたまごのたくのレビュー・感想・評価

天使のたまご(1985年製作の映画)
3.5
たまごを大事に抱えて廃墟を彷徨う少女を描く押井守監督作品で、はるか昔に一度観て良く分からなかった記憶がある。今回Amazonプライムに挙がってたので観てみたら、やっぱり分からないんだけど、髪の毛や水の繊細な表現を伴う世界観が圧倒的で引き込まれた。大人の男性と少女と幻の魚という組み合わせは押井監督の「迷宮物件」を思わせて、同作で少女役だった兵藤まこが本作でも少女を演じてたね。少女の希望の象徴となる「たまご」は現世への未練のような感じで、実態のない魚を追いかける亡霊のような軍隊と呼応する。少女の導き手となる青年がたまごを割ることによって少女が解き放たれて、成仏したってことかな。壮大なコーラスを伴う幻想的なBGMも世界観に貢献してた。この音楽担当の菅野由弘は「グスコーブドリの伝記」(1994年版)も手掛けてて、あれも訳が分からない作品だったな(自分が観たのは2012年版)。
たく

たく