ブタブタ

天使のたまごのブタブタのレビュー・感想・評価

天使のたまご(1985年製作の映画)
3.5
《ノアの方舟が陸地に辿り着けなかったもうひとつの世界》
のお話しだそう。
しかし監督自ら「ストーリーはない。テーマもない。」と言ってるので之はただこういう世界と見ればいいのか。
余りにも前衛的芸術的過ぎて全く売れず監督は五年も干される事になったとか。
しかし美術とビジュアルは必見の価値アリ。
文明が崩壊した遠未来の様な廃墟世界。
何の目的があって動いてて何と戦ってるのか(という設定も何もないと思うけど)真っ赤な生体?戦車の行進や、バックベアードみたいな人工太陽、巨大影シーラカンスを捕鯨みたいに長銛で追う灰色の集団。
どれもこれも恐らくは何の意味もないのだと思う。
監督はタルコフスキーの『ソラリス』の影響を語ってますが寧ろ同監督の『ストーカー』の世界にも見える。
それとキャラデザが天野喜孝のせいもあって吸血鬼ハンターDの遠未来の地球みたいにも。
それと今より20数年も前、ロリポップという所謂美少女漫画雑誌に伊藤まさや『美しい人間』という漫画が連載されてて、其れは崩壊した未来?世界で疫病が蔓延しており、殆どの人間はゾンビみたいになってて、その中で老女科学者が死体を繋ぎ合わせてフランケンシュタインの怪物みたいに完璧に美しい少女を創造する、って単行本は出る出ると言われ続けてもう10数年がたってしまってるのですが、崩壊した世界と美少女って80~90年代の美少女コミック全盛期にはこういう訳わかんない漫画が時々あった。
日活ロマンポルノがエロシーンがあれば何でもありだったみたいに、あの頃の美少女雑誌は美少女さえ出てれば何でもありでSFだったり意味わかんない話しだったり非常に前衛的な漫画や実験的なことを美少女漫画を使ってやってたな~とか久々に『天使のたまご』を見て思い出したのでした。
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