ぬぶろ

Diner ダイナーのぬぶろのレビュー・感想・評価

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
3.1
好きか嫌いか。ではなく、理解できるかどうか。で評価。

dinerは漫画版を少し拝読。
漫画版を見る限りでは全くぐちゃぐちゃになっている訳ではなかった。
作りとしては、出したい俳優を出し、話が成立する数のスポットを当てたいキャラ以外は早々に退場させている。濃いキャラばかりだが、最低限話しは出来ている気がする。
サスペンスとしての緊張感がカケラも感じ取れない、1週間程度の関係性のはずが恋愛感情を抱いているところ、恐怖の演技かと思いきやそのまま最後まで一本調子なヒロインの演技、オチがパッと思いつく捻りのない終わり方をしているところなどいただけない部分も多いはずだが、良いところも悪いところも全部、監督が蜷川実花ということで納得がいった。

写真家として、被写体の良さを引き出す事が生業である事が作品に出ているように思う。と思うと、メインキャストのそれぞれのPVではないかとも思える。dinerの大筋を歪めない程度に俳優を引き立たせたい部分にスポットが当たるように物語を歪めている。何より、蜷川監督自身の表現したい世界のPVになっていると思った。

冒頭でも書いたが、好きか嫌いかではなく、理解できるかを考えると、理解出来る。俳優目当てで観たのなら満足する結果は得られただろうし、監督の世界観目当てで観たなら満足するだろう。diner原作の中身の部分を抜いて、俳優や舞台を魅せるために注力した映画であるなら筋は通っていると自分では納得した。

であれば原作なしのオリジナルで映画を作った方が評価は得られたのではとは思うが。
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