荒野の狼

Diner ダイナーの荒野の狼のレビュー・感想・評価

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
1.0
尊敬する人は誰ですか?と聞かれた時の模範解答の一つに「父です」と言うのがある。蜷川実花の映画は、それだろう。親父はだから 実花が可愛かったに違いない。ところが、オマージュやらリスペクトやらをぶっ込んだこんな作品を草葉の陰から眺めるつもりが、今回は遺影でもって引きずり出されてしまった。やれやれって感じ。
蜷川幸雄世代には、同時代の天井桟敷や赤テントを彷彿とさせるムード満載だが、あの頃の有り合わせの手作り感はなく、豪華さだけが鼻につく。ここには寺山の一所不在の修辞(司)学も唐十郎の特権的肉体論もない。
それはさておき、案の定 評価は振るわないが、そんな向きにはお勧めの鑑賞方法がある。ぜひ音声を消して字幕で見て欲しい。今日(こんにち)の俳優はほとんどが、その声、その喋り方がダメだと言うことが、よくわかるだろう。そうすればいつもへんてこりんな藤原竜也だって、2倍速にする事なく楽しめる。玉城ティナもこうすればよりアンドロイドなメイドフィギュアっぽくなって、これが案外よい。
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