たく

Diner ダイナーのたくのレビュー・感想・評価

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
4.0
蜷川監督ナメてたわ。
すごい良かったね。

ほぼダイナーの内部だけで繰り広げられる密室劇なのに、縦横無尽のカメラと極彩色の映像で空間の狭さを全く感じさせないのがすごい。
出てくる料理がとにかく美味そうで、観終わってお腹いっぱいの満足感を味わった。

不安定な少女が自分探しの旅行資金を稼ぐために危ない高額アルバイトに手を出すっていうちょっと「カイジ」に似た導入から、得体の知れない闇組織に買われて殺し屋専門のレストランで働くっていうトンデモ設定が監督の映像センスにマッチして違和感なかった。
殺しや銃撃が繰り返されるたびにお店の修繕どうしてるんだろう?ってことは考えないようにしてたけど。

予告編で藤原竜也相変わらずやってるなーってニンマリしてたら、本編はシリアスな役でかっこよかったね。
本郷奏太の役が一番怖くて、背の低い子供に見せる特殊効果が見事だった。
玉城ティナの華奢な外面に反して意志の強さを感じさせる目ヂカラも良かった。

蜷川監督はよくクラシック音楽使うよね。前作「ヘルタースケルター」でショスタコーヴィチ8番第三楽章を上野耕路アレンジでほぼそのまま使ってたし、本作も「新世界」第二楽章以降を全部入れて来て、最後にフォーレのレクイエムが出たね。
たく

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