claire

アレックス・ストレンジラブのclaireのレビュー・感想・評価

3.7
たしかに一人の少年がセックスという通過儀礼を通して自分のセクシュアリティを自覚する物語であって自らの性自認を尊重することやそれに対して正直であることを祝福することの意味は大きいのだけど彼のセックスの失敗をセクシュアリティ=性的指向の違いだけに限定して理解するのも何か違う気がして、だけどこれを一般化してこれは愛と性の同一不可能性だなんて言っていいのかもわからなくてまだ考え中。だけどちょうど今日読み終えた赤坂真理『愛と性と存在のはなし』(2020)にこうあった。「とてもうまく自分をコントロールできて、ほしいものがはっきりわかっている人だけが、現状ではこの社会を生きていける。自分の中に性の違和などがあったら、もうむずかしい。しかしすべての人に多かれ少なかれ、性の違和はある。大切なのは、それとどうつきあうかだ。でもセックスって、そんなに簡単にできるの?それができるのって、自明?ある人と、わたしの場合、異性とまったく知らなかった人の前で、あるとき至近距離で裸になる。それってかなり非日常だよ。」
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