ダイセロス森本

アレックス・ストレンジラブのダイセロス森本のレビュー・感想・評価

4.7
ゲイ映画で一番リアルに描けているし一番面白く深く描けている作品だと思った。からかいの対象から次第に認識の対象になっていってほしい、そういう思いのこもった映画。きっと製作者の中に本当にゲイの心を持つ人がいるんだろなと思う上手さ。幼少期の回想が出てくるあたりから、ただの成績優秀な会長殿がつらい人生を送ってきたんだと見せてくれる。
男友達といるのがベスト、普通に紛れ込みたいからいつも一緒にいたけど、その人たちも段々恋だのセックスだの、女の話ばかりになってくる。つらかっただろうなって凄く思う。

カミングアウトする必要はない。おおっぴらに表現する必要はないけれど、否定するようなことはしちゃいけない。

最後のキスシーンはたまらない。これでもかっていうくらい幸せがあふれてる。本当におめでとうって心から思えるし、彼女の表情も好き。

恋人じゃなくても、大親友として一生付き合っていくことはできるんだって、恋人だから「一番」ってわけじゃないって、ちょっと思った作品。型にはめて人を見ないことがどれだけ大変かも、思い知った作品かも。