Jun

HUNT/餌 ハント・エサのJunのネタバレレビュー・内容・結末

HUNT/餌 ハント・エサ(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

人喰いライオンがアムステルダムを舞台に市民をHUNTし始めたからさぁ大変!

アニマル・パニックとしては堅実な構成だが、ディック・マース監督らしい調子外れでユーモラスな人間模様と悪趣味さを兼ね備えた怪作だ。CGを駆使したライオンの出来も中々に迫力があり、悪くない。序盤の惨劇こそ古典的な見せない描写だが、事件が公になってからは容赦無く暴れ回ってくれる。そして夜の街で繰り広げられるバイクとライオンのチェイスシーン、広大なフォンデル公園内で行われる狩猟作戦、逃げ場のない路面電車、滑り台を降りるとライオンさんこんにちは、大学構内の死闘、果てはキャタピラ付き車椅子を繰るハンターとライオンの一騎討ち……と、多彩なシチュエーションと見せ場で大いに引き込まれる。変人にしか見えなかった主人公の元カレハンターも最後には愛おしく感じられるから不思議だ。

ディック・マースは、演出や監督自身が音楽まで手がけている点も含めてどこかジョン・カーペンター御大を彷彿とさせる。過去作を観返しつつ、新作を気長に待ちたい。
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