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記者たち~衝撃と畏怖の真実~のERIのレビュー・感想・評価

3.6
WOWOWさんで2月にやってて録画したままだったのが、ようやく観れた。オープニングの法廷でのシーン。映画ではあり得ないカメラ目線での「なぜ戦争をしたんですか?」というセリフこそがこの映画のイシューだね。

2002年のブッシュ政権下。イラク侵攻が始まろうとしていたときの、地方新聞社を傘下に持つナイト・リッダー社の真実を追いかける記者たちの物語。

ブッシュ大統領が、イラクが核兵器などの大量破壊兵器などを開発、保持していると発言した。その発言を信じ、アメリカでは愛国心が高まっていたが、その情報に疑いを持ち取材を続けていく彼ら。ブッシュは民主主義の自由な国を増やしたいという狙いがあった。イラクはこのままでは少数の民族主義が広がっていくと考えられ、阻止しなければとの発言があった事実を掴む。

内部の勇気ある人たちがオフレコで彼らに密告をしてくれる。政府で誤った意思決定がされていること。先に決定を下し、そこに情報を集める。偽の情報で意思決定が下される。情報のいいとこ取り。ラムズフェルド国防長官がそれらを指示したいた。

NYタイムスや他の雑誌もブッシュの発言を後押しするような情報ばかりでアメリカは包まれていたけど、もし他のメディアが政府の広報のような真似をしても、戦地に我が子を行かせる人が住む人たちの味方となって真実を届けることを使命に取材を続けると心を一つにする。

それでも政府の戦争に向かう歩みは止まらなくて、イラクへの武装解除へと突き進んでいく。9.11のテロはそれを信じてしまうほどの傷があったのだろうけど、その出来事で情報が歪んでいく怖さが描かれていた。

一つの情報だけで物事を信じ込んでしまわないようにしたいと心から思う。


結局イラクから大量破壊兵器は見つかってない。
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