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孤狼の血 LEVEL2のNaOのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
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邦画は専ら円盤か配信派。
何故なら台詞が聴き取れないから。
円盤や配信なら字幕が付けられるのでいつもは気長に待つのだけど、孤狼の血は別物。
LEVEL2制作決定をブチ上げてからずっと楽しみにしていた。
松坂桃李が好きなので...

で、観た感想。
“鈴木亮平が全部持って行った”
です。
彼の狂気は凄まじい。
不幸な生い立ちも一因ではあるけど、それだけであの狂気を惜し気もなく画面いっぱいに支配することが出来るのか⁇

彼の殺し方が常軌を逸していることは特筆すべき点ではある。
眼球をくり抜くなんてそんな手間がかかること、余程のことが無ければやらないと思う。
で、考えた。
眼球をくり抜かれるのは決まって女性だったこと。
幼い頃、父親から凄惨な虐待を受けながらも助けるどころか見て見ぬふりをしていた母親。彼は両親を殺したけれど眼球をくり抜いたのは母親だけだった。
それは「僕を見て」という彼の叫びだったのではないか、と。
女性達の眼球をくり抜くのも母親にリンクさせていたからじゃないのかなぁ...
母親からの愛情に飢えて「僕を見て‼︎」と必死に訴えている上林少年のままだったように思う。あれだけの狂気を持ち合わせていながらも、怯えた少年の姿が見えた気がしてならない。
では、幸太はどうか⁇ 母親では無いにしろ、幸太を気にかけ愛してくれている姉真緒の存在に嫉妬していたからじゃないかな。
これは全て私の想像でしかないけど。

そして、松坂桃李。
前作ではガミさんに振り回される仔犬でしか無かった日岡。
チンピラのような風貌に様変わりし、ガミさんばりにメンチを切る。
だけど、何処か昔の日岡が見え隠れする。
瀬島を信じて全てを話してしまう辺りとか...中村梅雀(瀬島)は信じちゃいかんキャラだぞ‼︎
最近、人が良さそうで一癖ある役が多い気がする。

そして、滝藤賢一は自分を棚に上げる系の人をイラつかせる天才だと思う。
あのギョロ目で恫喝している姿にイラァ...としてしまった。

総合的にグロ描写が増えて血糊も韓国ばりに大盤振る舞い、アクションも格段に増えた。
確かにレベルは上がっている。
ただ、とにかく鈴木亮平が全部持って行ってしまうので、他のヤクザの印象が薄いのが残念。
チンピラヤクザのコスプレしてメンチ切ってる人達って感じがしてしまった。
“昭和の名優”と呼ばれた役者達のような、骨太で男臭いヤクザってもう観られないのかなぁ...現代のイケメン俳優もカッコいいけど、それとはまた別格のカッコ良さがあったように思う。

因みに、字幕を付けないと分からない私が久々に邦画をスクリーンで観た結果。
ストーリーは把握出来たけど、台詞の7割を聴き取れなかった。
1日...いや週1回でも良いから字幕上映があったら良いなぁ...
NaO

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