三樹夫

孤狼の血 LEVEL2の三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

キャスト配役がひたすらに良かったというのに尽きる。特に鈴木亮平と中村梅雀が抜群に良かった。冒頭のチンピラ連中の広島弁で、ヤクザコスプレ感がすごくて大丈夫かいなと思ったけど、鈴木亮平が出て来てからが安定感を見せる。上林っていうのはただひたすらに恐ろしい奴。笑った顔も怖い。ガタイが超絶良いのも威圧感あって怖い。基本は石川力夫でそこに大友勝利が加わったみたいな超絶良いキャラ。上林っていうのはジェイソンとか、一種のモンスター映画みたいになってる。監督曰くゴジラみたいな感じ。
中村梅雀は、よくやる人の良さそうなおじさんというのを逆手にとって、実はどクズだったという裏切りのキャスティングがされている。中村獅童がやってたトップ屋が飲み屋みたいなところで上林と話してるシーン入れて、情報流してたとミスリードさせて、実は中村梅雀が裏切り者だったというので、中村梅雀がよくやってる人の良さそうなおじさんというイメージありきのキャスティングだと分かる。共産党云々は、『県警対組織暴力』の汐路章が元ネタ。
後は嫌なエリート管理官に滝藤賢一だったり、寺島進が酷い目に合うヤクザだったり(寺島進はヤクザをやるとよく酷い目に合ってる)、基本は安定のキャスティングをしている。その中でどう転ぶかわからん鈴木亮平を上林という重要キャラにキャスティングして大成功していて、鈴木亮平が凄い。

前作は役所広司の赤ペン先生とか、やたら安易な感動だのいい話に着地しようとする邦画のダメなところかつダサいところがしんどいというかもはや最悪だったが、今作も完全に無くなっていたわけではないが、改善されていてより実録感が増していた。邦画のウェットは超絶ダサいし、ウェットタイムのおもんなさすさまじいから俺的にはやめてもらった方が嬉しい。
オープニングが完全に『仁義なき戦い』式のオープニングで、ストップモーションの連続にナレーションがかぶさるなど、この映画観る前に予習するのは前作じゃなくて(前作って任侠映画だし)、『仁義なき戦い』や『県警対組織暴力』など実録ヤクザ映画を観た方が楽しめると思う。
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