今の日岡に前作・大上を求めてはいけなかった。
前作『孤狼の血』では、大上の存在が、日本トップクラスの名俳優役所広司が演じる事もあって、大き過ぎた。カタギを守る為なら躊躇いなく悪に染まり、暴力団組織と一人で渡り合える器量のある大上は格好良過ぎた。
大上が居ない中での今作でも自分は、彼の意思を繋いだ日岡に彼の影を見ようとし過ぎたのかもしれない。
今作は映画史にも残りそうな外道なヤクザ上林が強烈過ぎて多数VSの形から上林VS日岡になったので前作を追い求め過ぎると期待外れとなってしまう気がする。
そこを追いかけるのをやめるとノワール作品として相当楽しめた。韓国ノワールを観るのが好きだが、それらに引けを取らない内容で、正直観るのがしんどくなるシーンも多いくらい。
それだけに鈴木亮平演じる上林が圧巻だった。原爆スラム出身の被虐待児などの社会問題背景もあるが、完全にサイコパスキラーで突き抜けてる。
話は戻るが、ラストの森でのシーンは日岡も未だに大上を追い求めている事が分かる。もっと日岡の成長が見たい。孤狼の血シリーズは今後もどうか続いて欲しい。
大上とは違うダーティヒーローかもしれないが楽しみだ。
