正直、観賞後の感想はなんか違うなと思ったが考察していくにつれてこの映画の面白みが増した。
とにかく脇を固める俳優たちの演技力が凄い。
特に上林役 鈴木亮平は役が憑依しているとしか思えないほどの演技力だった。
ただ、上林の暴走ともとれる行動には少し疑問が残る。この映画はヤクザ映画であって、アクションやバイオレンス映画ではない。このジャンルなら上林の暴走ぷりや非道さは府に落ちる。
ヤクザは仁義や親子の関係が絶対の世界であり、上林にはそれが欠落している。
ただ現在、その仁義や親子の関係でなりたってない組織がある。それは半グレ。
上林が半グレの先駆けのような存在とするなら…と考えたら、全てにおいて上林という存在をある意味理解できる。
この映画の時代が平成3年でこの年に暴力団対策法が施行された背景もあり、ヤクザにも変化が起こりはじめたのも上林の存在を大きくする要因になったと思う。
