このレビューはネタバレを含みます
◆お父さんは心配性
すべてがパソコンの画面のなかで展開する映画ってことで話題になったこの映画。娘の失踪の理由は自発的なものか、事件か。テンポよく次々と展開するストーリーを、アプリの切り替えで見せる発想はすごく斬新。
しかし、お父さんの行動力と執念がすごい。娘をさらったんじゃないかと勘違いして映画館で見当違いの男に殴りかかるとか。事件だから父親の行動力は役立ったけど、普段からのこの行動力だったら、娘としては相当鬱陶しいんじゃないか。
父親は、若くして癌で母を亡くした娘の失意に寄り添えず、やたら口うるさく干渉するキャラ。娘は母親の思い出話をしたいのに、父はそのことに触れず、二人のあいだのずれは深まっていく。
このすれ違いは、娘の救出をきっかけに和解にむかった。でも父親の過干渉ぶりが変わらなければ、娘はその後やっぱりうんざりしてしまうんじゃないか。お父さんが子離れしてほしいな、と願わずにいられない。