全編PC画面の中の展開という前振りで、撮影手法だけなのかどうなのかと思いつつ、評価の高さにつられて観たら、めちゃくちゃ面白かった。むしろ、この作品が描きたかった世界観は、この手法でしか撮れなかったのだと思わされる。
第三者視点が古く感じてしまうほどに、序盤から物語への没入感が半端ない。日常的に自分でも体験し操作している光景の中で全ての物語が進む、あるあるだらけで、言い得て妙だけれど、画面越しの正にリアル体験。
二転三転するストーリも、随所に伏線と回収を散りばめながら、最後まで飽きさせない。観ているうちに期待が高まり過ぎてしまったせいか、着地点にはそれほど衝撃は受けなかったけれど、これは今観て損はしない映画。こういう類の作品にありがちな犯人像（画面の向こうの顔の見えない口元だけニヤリするハッカーとかね...）でなかったのも、またよかったな。
個人的に、序盤のフォントぎっざぎざのWindowsXPから始まり、気づけばMacになり、FaceTimeが日常になり、その辺の変遷を家族の日常と共に魅せる画に、割とグッときてしまった。
