ズボン

真実のズボンのネタバレレビュー・内容・結末

真実(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

これは母と娘の話という事になるんだろうけど、
「母と娘ってねぇ🤷‍♀️」
みたいな、難しいねーとか面倒くさいねーとか、単純な言葉では片付けたくない雰囲気があった。
母娘の歴史を感じた。

始まりは、二人の自立した女性、という感じが強かった。
久々の再会ゆえのぎこちなさ、今はそれぞれ別の世界で生きているのを敢えて強調する振る舞い。
共に過ごす時間を経てのラスト、それでもやっぱり、母娘それぞれの立場や想いが滲み出てきて鳥肌が立った。
二人が抱き合って、やっと母と娘として向き合えたかと思いきや、
「この感情を持っていたら、あのシーンをもっと良く演じられたのに…!」
と言い放って一瞬で女優に戻ってしまうファビエンヌと、そんな母親を見つめるリュミールの目。
あれは最終的な、決定的な、諦めの目のように見えた。

女優として生き続ける事に迷いもあって、それを夫に訊ねようとする所に人間らしさが垣間見えるけど、もうどうしようもないんだよね。そう生きざるを得ないのだろう。衝動。

女優として生きる事を貫き通そうとするファビエンヌがカトリーヌ・ドヌーヴ自身のようにも見えて。結構リアルな側面がありそう。さすがフランスが誇る大女優だな、押しも押されもせぬ貫禄。
ジュリエット・ビノシュは作品によって全く別人のように見える。
イーサン・ホーク、うだつが上がらない役がめちゃくちゃ似合ってた。
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