あまりに純粋な町田くんに苦笑しながら時々無性に切なくなる。「悪意に満ちたこの世界」にも、善意は地道に息づいていてそれは巡りめぐって返ってくる。そう信じさせるポジティブなメッセージに満ちている。
漫画原作だけに、主役二人や同級生たちの言動は漫画じみているのだけど、脇の大人達に芸達者さんたちを揃えてリアルに寄せており、特に池松壮亮の存在が効いている。北村有起哉と松嶋菜々子という温かくておおらかな両親も素敵。
「一生懸命な気持ちには一生懸命応えなければいけない」「大切な人って何?」「好きってどういうこと?」大人ほどわかってるようでわかってない。
終わり方はファンタジーに寄りすぎてちょっと驚くけど、ほっこりとしたまま終わり後味もよし。無垢なものに触れたからか、思いのほか泣いてしまいました。