柏エシディシ

戦慄の絆の柏エシディシのレビュー・感想・評価

戦慄の絆(1988年製作の映画)
3.0
一卵性双生児のエリオットとビバリーは、革新的な産婦人科医として名声を得ていた。
社交的で野心家のエリオットと内向的で職人気質のビバリーは正反対の性格ながら、お互いを補う様に文字通り一心同体で生きてきた。
しかし、そこに奇形子宮のため診察を受けにきた女優クレアが訪れた事を契機に、兄弟の危ういバランスが崩れはじめていく。
せっかくなんで、クローネンバーグ作品の未見の本作を。
この頃のクローネンバーグにしては珍しい心理サスペンスものかなぁ、と見始めたら、ちゃんとクローネンバーグらしいボディホラー要素がちゃんとあって、安心するやら微笑ましいやら。
真っ赤の手術着やグロテスクな医療器具にも監督の美学が出ちゃってる。
「スキャナーズ」のキャメロンの人も登場。
やはりそれでも、本作の1番の見どころは双子を演じたジェレミー・アイアンズの演技。
見た目が同じなのに、仕草や喋り方でエリオットかビバリーなのか判るのすごい。
なんだかけったいなお話の様だが、最後は本当に切ない。
語り口はあくまでクールで、グロテスクなのに後味は不思議なまでに清廉。
やっぱりクローネンバーグ。
このお話、いろんな切り口や解釈の幅があって興味深い、リメイクとかしたら面白そうと思ってたら、最近、主人公を女性にしてドラマ化しているのね。そちらもチェックしてみます
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