黄金綺羅タイガー

スマホを落としただけなのにの黄金綺羅タイガーのレビュー・感想・評価

1.0
用事と用事のあいだに時間が空いたため、映画館に立ち寄り鑑賞した。
ちょうどチケットが安く買える日だったので、得した気分で映画を観始めたのだが、観終わってから思ったことは金返せだった。
全額とは言わない、500円だけ返せ。
そう強く思った。

なにがそう思わせたのかというと、まず第一に映画の造りではない。
10年前のテレビドラマを感じさせるノリの軽さ、ステレオタイプな演技。
観ているあいだ、それらが後半の恐怖や軽薄さを際立たせる為の演出なのかとも考えたが、結果はそうではなかった。
ただただ現代の若者って、こんな感じでしょ? という浅はかな演出の結果、そう言ったものになったのだと思う。

第二に心情、状況の吐露が多すぎる。
説明過多。
というかこうでもしないと現代日本の観客は状況を理解できないのだろうか。
それはそれで由々しき事態がある。
それとも制作側が日本の観客はその程度だと思っているのだろうか。
もしその程度だと思ってそれに合わせたものを作っているのだとしたら、それは更に観客の質の低下を招くのではなかろうか。

そしてクライマックスでの冗長な独白と回想の挿入。
あれが為に映画のリズムが崩れて、まどろっこしい印象を与える。
犯人の登場の際の、解りやすいサイコや羊たちの沈黙のパロディーに辟易。

暇潰しにはなったし、椅子の座り心地はよかったので、全額とは言わないから、500円返してほしい。