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エリック・クラプトン~12小節の人生~のryosukeのレビュー・感想・評価

4.0
シネ・リーブル神戸。

観に来てるのがクラプトンガチ勢おじさん(とたまにその奥様)ばっかで、もっと年相応の音楽を聴かなければと反省してしまったが、結果的には観に行って良かったと思った。

高校生の頃バカだったので、クラプトンの自伝を読んでいたお陰で、彼の半生についてはある程度知っていたが、各時期の活動や作品が、彼の人生のどのような局面で作り出されたのかということを改めて整理することで、それぞれの意味合いを再認識できたと思う(息子の死からのunpluggedの流れは知っていても泣きそうになった)。

クラプトンは彼自身の音楽性がどうこうというより、ブルースなどのルーツミュージック、J.J.ケイル(タルササウンド)やボブ・マーリー(レゲエ)といったアーティストを、そのカリスマ性やスキルをもって世に広めるきっかけを作ったという所が評価されているのだろうと思っているけど(もちろん個人的には彼のギタープレイも好き)、彼の友人が一堂に会するクロスロード・ギターフェスティバルはまさにその集大成だといえると思う。

例に漏れず、ブルースに関しても黒人白人間のあれこれはあるようだけど、白人による黒人音楽の模倣が、黒人アーティストに新しい扉を開いた的なポジティブな認識をしてるB.Bキングとかにとっては、60年代のブルース・リバイバル期におけるクラプトンの活躍、そしてその後も浮き沈みを経てなお第一線で音楽活動を続けてきた功績は、非常に大きなものなんだろうなと思った。

実際、あそこまでクズになるのもしゃあないってくらいの闇の深さだけど、最終的には音楽を通して人間としても成熟していくっていうとこまで含めてクラプトンなんだなあと。

余談だけど全盛期のパティ・ボイドの美しさには本当にビビる。クラプトンもアル中になるまでイケメン過ぎてウケる。チャック・ベリー、キース・リチャーズとのセッションで歌詞覚えらんねぇみたいなくだりが微笑ましかった。

あと自分が観に行った2014年の武道館公演の映像が一瞬あって、おっ、てなった。スティーヴ・ウィンウッドとの連名だっただけに、blind faith期の楽曲はやっぱ好きだなー。
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