ゆういち

キングのゆういちのレビュー・感想・評価

キング(2019年製作の映画)
3.9
『多くは望まない。ただ常に真実を語ってくれ。常に。』

シェイクスピアの戯曲を基に作られたNetflixの映画。
大ファンになったティモシーシャラメの映画ともあって初日に鑑賞。
演じたヘンリー5世は調べてみると戦乱の時代に功績を上げ、34歳の若さで病で命を落とした王だとか。
歴史に疎い自分でも時代背景を知るととても面白い。
平和主義で争いを好まない青年が若くしてイングランドの王となって国を治めていく物語。
もちろんこのジャンル特有の派手なバトルもあるんだけどそれよりも王としての重責を抱えて孤独に悩む青年の成長に焦点を当てているところが自分的に好ポイント。
ティモシーシャラメは思春期の若者の役が多かった中、声を荒げて剣を振るう姿は新たな一面。やっぱり演技上手いし、表情一つで絵になる。
ゲイ、薬物中毒、売人、王と多彩な役をこなすあたり若手俳優ではやっぱりピカイチかな。
今作は脇を固めるジョエルエガートンとショーンハリスがとっても良い味を出してて物語に深みが出てる。
物語中盤からはイングランド軍とフランス軍の戦いなわけだけど戦争は本当に色々な思惑が渦巻いてる。
最終的にヘンリー5世は自分の力で何が出来て何が得られたんだろう。
友を失ってまで手に入れたはずの平和が、民衆の歓声という平和の音がなんとも言えず虚しくって皮肉すぎてラストのセリフがたまらない。
ゆういち

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