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つかのまの愛人のsのレビュー・感想・評価

つかのまの愛人(2017年製作の映画)
4.0
フィリップ・ガレルの映画はだいたい女が主導権を握り愛した男が破滅する。愛に纏わる論争劇は相変わらず健在で、愛なんて知らないから今回もどっと疲れた。自分の性格がひねくれてるだけかもしれないけれど、女は一度敵対視した女を何かをきっかけにして他の女と同じように認めるということはまずない。あるものが絡む女の友情なんてもっての外だと思っている。たとえ共犯者として奮闘し友情みたいなものが芽生えたとしても、それはあくまで表面上の姿であって実際は永遠に敵である。そういうのが死ぬほどめんどくさいから、男も女も関係なしに二十歳を過ぎたあたりから一度無理と思った人とは関わらないことにした。どんなに歩み寄っても、誤解していた本心みたいなのを知ったとしても、それは時間の経過や周囲の人や物による記憶の美化でしかない。その時そう思った自分の心だけが真実だ。
何かに期待したり誰かを信用してそれを支えに生きると失った時に辛いから、最近は何に対しても期待や希望を抱かなくなった。好きな人たちが破滅するところなんて見たくないし、破滅して死ぬのは自分だけで十分だ。
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