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恋する女たちのsのレビュー・感想・評価

恋する女たち(1986年製作の映画)
4.0
斉藤由貴の一番好きな曲「MAY」が主題歌なことを予告編で知る。前年の主演デビュー作、相米慎二『雪の断章』とは異なる強がり文学少女キャラ。ツルゲーネフの『初恋』の朗読、緑生い茂る田園風景、夏の電車で追い風のポニーテールの図が良すぎるし、この世の中には斉藤由貴だから許される格好というものがあるよな…。斉藤由貴のモノローグが素晴らしいのでずっと飽きなかった。
夜の帰り道のシーンで、
「ありがとう好きになってくれて」
「どういたしまして」
からの自転車漕ぎながらMAYのイントロがズルい。そこからすぐに決闘場面に転換して余韻に浸る暇がなかったのでもう少し尺長めに欲しかったなと思ったが、そういう寸止め編集にした意味がわかるラスト。

最後のモノローグがサガンの小説みたいに素晴らしかったので自分のために記録。
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「あたしはそのキヌコのためについにその双肌を脱ぐ決意をし、画伯は1ヶ月かかって描きあげた。今、あたしは11月の学校祭の美術展で私の50号くらいの裸体画の前に、ふとスケベ心を起こして立ち止まるクツカケマサルの姿を想像している。そうなったらしめたものだ。あたしはおもむろに近づいて、好きだと言えそうな気がする」
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モノローグのあと画面いっぱいにタカコ(斉藤由貴)のヌード絵画→間髪入れずにMAYが流れるエンドロールで涙。欲を言えば二番も聴きたかったです!
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