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ビューティフル・ボーイのぷのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
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『ある少年の告白』を観たかったのに、「少年」違いで誤ってチケットを買ってしまったため、鑑賞。

ティモシーシャラメ君は初拝み。
『君の名前で僕を呼んで』などを観たことはないのだけれど、作風もあってか、グザヴィエドランの映画に出てそうな子だなと思った。

タイトルに反し、内容は薬物中毒という重い内容になっていた。
ここで1つ表現に気をつけるべきなのが、「重い」という言葉。

例えば、僕が好きな映画に
『トレインスポッティング』(1996)
『パルプフィクション 』(1994)
などがあり、どちらも作中でドラッグでぶっ飛ぶシーンが描かれている。
が、社会問題として抑制していこうというような否定的観点からは描かれていない。
故に「重い」なんて微塵も感じない。

ところが最近では、若者がドラッグをキメるシーンは、社会問題的ニュアンスを含めることが大半である。というか含まざるをえないのだろう。それほどまでに20年で価値観というものは変貌するのだと実感した。

おそらく今後の映画史において、
上記の二本のような名作は生まれないのだろうと思うと少し悲しい。
(勿論、違法薬物は取り締まるべきである)

米国の50代以下の死因の一位が薬物によるものというテロップが、最後に一瞬流れた。
薬物に限らず、精神的に危うい人々は多くいるだろう。

イーストウッドの言うような
古き良き、強いアメリカ人という像が滅びつつあるのは確かである。悲しい。
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