ぷさんの映画レビュー・感想・評価

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コロンバス(2017年製作の映画)

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小津やウェスを意識したショットとモダニズム建築の相性が良く、まるで建築写真集を読んでいるかのような作品。
そしてその整然としたモダニズムが並ぶコロンバスに生きる人々の渦巻く感情のコントラストも良い。
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いつかギラギラする日(1992年製作の映画)

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現金輸送車を狙った強盗に成功するも仲間割れが生じ、5000万円の争奪戦に。
萩原健一の落ち着きある暴力さと、木村一八の青い尖りの絶妙で、作品に緩急があって良い。

「死ぬまでにもう1、2分ある。24で
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はなればなれに(1964年製作の映画)

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恋と犯罪と。
沈黙ゲーム、
マディソン・ダンス、
ルーブル疾走。

今流行りの闇バイトは強盗の部分だけ表面化してるけど、実は裏側で"はなればなれに"のようなことが起きてるのかも..??
楽観と悲観の狭
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あんのこと(2023年製作の映画)

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あんが中心にいると、権力を不当に行使した刑事はそれでも良い奴だったように思えるし、一方で母親は毒親としか思えないように映る。

あんへの優しいコメントしてる人たちが同時に、この世界の生きづらさを無自覚
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

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映画そのものはそこそこ面白い。
しかし、ふわふわと湧いて出てくる悪意を"Cloud"と表現してしまう黒澤監督自身の解像度の低さが、映画の端々に現れていた。
勝手に比べるのは申し訳ないですが、濱口監督は
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

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5年前の8月19日。
彼女に贈った赤い帽子を探しに熱海へ。

ここに写る3人が中心にいるのだけれど、ホテルで働くベトナム人が心に残る。
彼と亡き妻の結節点、赤い帽子。
beyond the sea。幽
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ファイブ・フィート・アパート(2019年製作の映画)

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同じ病気に罹っている男女が入院中の病院で出会う。しかし男性の持病が飛沫感染するため5フィート以内に近づいてはいけない。

ビリヤードのキューがおそよ5フィートとのことで、キューを挟んで手を繋ぐシーンが
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

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コメディでしっかり面白い作品に触れたの久しぶりだなぁ。
一方で、もうちょい幕末から学べるメッセージ性が強くて良かったのかなと思う。
会津藩の武士を据えたのに、脚本変更で会津の惨劇をちょろっと読み上げる
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プロジェクトA(1983年製作の映画)

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完全に香港旅行のロケ地巡りを目当てに。と思ったら意外と撮影地はマカオも使われているようで、マカオ散策にも楽しみが増えた🙌
サモ・ハン・キンポーかわいいなぁ。

ラストマイル(2024年製作の映画)

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嫌みっぽい言い方ですが、人が面白いと思う要素を脚本の起承転結に落とし込むテクニックの賜物で、トップガンマーヴェリック以来の力を感じました。
物流問題や覇権企業の力などの問題提起も、鋭いとこを大衆向けに
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最愛の子(2014年製作の映画)

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ピーター・チャンの作品を巡っている。
人が攫われることそのものは茶飯事で、その上でどういう作品にするかか問われるのが中国なので、一段置いてかれる。
本作においてはきっと労働力(=一人っ子政策)に起因す
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ラヴソング(1996年製作の映画)

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(シウクワン)レオン・ライと(レイキウ)マギー・チャンがテレサ・テンで意気投合してからの10年間。テレビに映るテレサ・テンの訃報と、再会。
香港返還前の景色や社会状況も覗けて良い。

wkw以外でマギ
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箱男(2024年製作の映画)

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匿名を決め込んでSNSで他人を覗いてる僕もきっと箱男📦きっといつか誰でもなくなり、誰でもある、そんな風になってしまう。
"見られる"側の意識と"見る"側の意識の非対称性、覗いたり監視したり眺めている側
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君さえいれば/金枝玉葉(1994年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

レスリー・チャンってほんとブリーフのパンツ一丁が映えるよなぁ。いつもパンツ一丁な気がする(?)
男装してオーディションに行ったところ見事採用されるというストーリーに面白さはないが、細かな言葉の掛け合い
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Chime(2024年製作の映画)

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初期の頃のゾワっとする怖さは懐かしくて良いけど、もっと人間の根源的な部分を脅かす作品であってほしかった。これは人間ではなく現代人、若しくは西洋人のそれ。
チャイムだかなんだか分からんけど、それを日本で
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青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)

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最初から最後まで青春と音楽で満ちていてすごい楽しかった🙌
パイプラインの曲で用いられるギター技法のデンデケデケデケに魅せられた少年が、高校でバンドメンバーをかき集める。楽器を買うまでも楽しい。
文化祭
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(2005年製作の映画)

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キム・ギドクといえば湖とかボートとか。
船の上で暮らす老人は、拾った女の子を17歳になるまで育てて結婚を心待ちにしている。

言葉で表すと抜け落ちるものが表現されている。ぴんと張った弓の糸のような強さ
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

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思春期で感情増えるのか〜!
アイデア出しの時のブレインストーミングの表現好きだったなぁ。そうよな、嵐やもんな🌪️

ピクサーの職人気質なものづくりと、スタッフへの愛や感謝が現れるエンドロールがほんとう
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地下室のメロディー(1963年製作の映画)

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老ギャング(ジャン・ギャバン)とチンピラ(アラン・ドロン)がカンヌのカジノから10億フランを強奪する計画を目論む。
音楽の印象が場面で悉く変わるのが面白く、ラストシーンはなんとも言えない物悲しさで心が
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イヴの総て(1950年製作の映画)

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徐々に欲が増したとかじゃない。
最初から総て仕組まれていた。
権謀術数とはこのこと。

謀ることへの嫌らしさが感じられないので、イヴに対しての嫌悪感は湧かない。
むしろ賞を受賞するに至る演技力を鑑賞し
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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鯨の腹の中で回心した預言者ヨナとなるか、「白鯨」のエイハブのように鯨への憎しみを募らせるか。
鯨のように巨漢な肥満症のチャーリーの贖いや孤独、正直さを描いた作品。
彼が背負う十字架は重すぎたんだな。

ルックバック(2024年製作の映画)

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丁度読んでいた『傷を愛せるか』を感じながら鑑賞しました。
傷のまわりをそっとなぞること。身体全体をいたわること。ひきつれや瘢痕を抱え、包むこと。傷とともにその後を生き(描き)つづけること。

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

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社会的な抑圧から生じる感情までも抑制してしまうことがジヨンを形作ったんだろうな。全く知らないのですが、火病に近いのでしょうか。
ジヨンが心に留めるほどに鑑賞者も心が重くなってくる。