ゆういち

ビューティフル・ボーイのゆういちのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
4.1
『すべて』
『世界中の言葉をすべて集めてもこの愛は伝えきれない。それらの言葉ではこの想いを表せない。お前を想う気持ちこそすべて
。すべてを超えて愛してる』

劇中の説明ではアメリカの50歳以下の死因第1位が薬物過剰摂取とのこと。日本でもたくさんの芸能人か逮捕されるもテレビの中の話で現実味は薄いと思う。アメリカの彼らにとっては日常で簡単に手に入るのが恐ろしい。この映画は仲の良かった父子が薬物によって離され、堕ちていく息子を懸命に支えようとする父親が描かれている。エンドロールまで見終わった感想としては決してハッピーエンドじゃなくて現在も奮闘中なんだなと思った。ノートにもある通り"戻るのはあまりに遠い旅"なんだろう。ティモシーシャラメはさわやかで綺麗な顔立ちが印象的だったけど今作では目の下にクマを作って感情の波が激しい薬物依存者を演じてて新しい一面を見た。決してあきらめない父親もまた人間で、心に傷を負うし苦しむ。劇中のとあるシーンに生者の喪に服すのは死者の喪に服すより辛いとゆう話があってとても刺さった。それでも不器用ながらできることを模索するスティーブカレルの演技に涙がでる。''すべて''の意味がたまらない。
わたしが誘因ではない
わたしには管理できない
わたしには治癒できない
the3c′sが壁に書かれていてとても印象に残った。
薬物の怖さ、人が人を救うことの難しさがよくわかる作品だなと思う。
感想で思ったより泣けなかったと書かれている方も多く見られるけどきっとあえて再生が描かれていないからなんだろうと思う。引きでの固定カメラでのラストシーンはセリフがないけど涙止まらない。
ゆういち

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