このレビューはネタバレを含みます
誰よりも強い絆で結ばれていた親子だったはずが、いつのまにか息子だけが闇に飲み込まれていく。
何故そんな風になってしまったのか、息子との暖かな日々がフラッシュバックする中でどこで間違えてしまったのかと苦悩する父の姿は、見ていてとても胸が痛くなる。特に子守唄で歌うジョンレノンの「beautiful boy」は涙が堪えきれない。
闇の中にも、小さな光が見えて、また消える。たくさんの努力もたった一回の過ちで、全てが無駄になるという薬の怖さもとても感じた。
現実に虚しさを感じる彼の繊細な心情は、誰からも理解されることはない。自分は自分で救うしかないと気づいて初めて、彼は少しずつ周りが見えるようになる。彼の好きな「Let it enfold you」詩と同じように、少しずつ目の前のことから向き合うことが大事なんだと知った。