ビューティフル・ボーイのネタバレレビュー・内容・結末

「ビューティフル・ボーイ」に投稿されたネタバレ・内容・結末

50歳以下の米国人の死因1位がオーバードーズというのは驚きだった。

クリスタル・メスことメタンフェタミン。別名スピード。日本でいうところのシャブがいかに恐ろしい薬物であるかは我が国の芸能界を見ていても分かるが、この作品の主人公ニック(ティモシャラ)もメスを常用するようになり、そこから抜けられなくなっていく。

「君の問題はなんだ?」と医師に聞かれたニックが「アルコールと薬物摂取です」と答えると、「それは問題からの逃げ方だろ?」と言われたエピソードを、更生施設で語るシーンが最も印象に残った。それと、オーバードーズで娘を亡くした母親が「私は喪中ですが、もう何年も前から喪に服していたようなもの。生きていた頃から娘の姿はなかったから。生者の喪に服すのは辛い生き方です。ある意味では今の方が楽です」と語るシーンは胸を掻き毟られるようだった。

父と息子の関係が物語の主軸で、少年だった頃のニックと父、青年になってからのニックと父のエピソードがシャッフルする前半は「一体、この二人に何があって、ニックはこうなってしまったのだろう?」と思わずにはいられない。が、結局のところニックの心の穴が何なのか、どこに起因するものだったのか、はっきりとした事は最後まで分からない。でも現実もきっとそんなものだろう。自分に照らして考えてみても、自分の心の穴の原因を明確に答える事は難しいからだ。

ただ、薬物にしても昨今流行りの不倫にしても、決して「快楽」に溺れてハマっていくわけではないのだと思う。そこにしか「よりどころ」「居場所」がなくなっていくことに問題の根深さがある……というのは、ちょっと前に金原ひとみさんにインタビューしたときに話したことで、それを思い出したりもした。

モグワイ、ニルヴァーナ、デヴィッド・ボウイ、シガー・ロス、ティム・バックリー、ニール・ヤング、サンファ、マッシヴ・アタックなど、どツボな楽曲がガンガンかかるし、ティモシャラも美しくカレルも外さない。ただ、フリーランスのジャーナリストであんな豪邸に住むって、日本だと誰クラスなんだ……?とか思ってしまった。Rolling Stoneのオフィスも途中で映ってたな。
「日曜に娘のフランシスを過剰摂取で亡くしました だから今は喪中です でもこう考えます 私はもう何年も喪に服していたのです 生きていた頃も娘の姿はなかったから 生者の喪に服すことはつらい生き方です だからある意味では今のほうが楽です」
エンディングで流れたチャールズ・ブコウスキーの詩に、この物語が序章に過ぎず未来はあると言う希望的なものを感じた。

普通に生きようと思えばやる事は決まってるはずなのに、馬鹿みたいなくだらないことに足を引っ張られ人生を台無しにする。
この世界では全てが競い合って貶し合い、密かに陰口をして、認めるなんて負ける事だと結びつけている。快楽主義でも功利主義でも人は人の道を行く。いずれは灰になって存在は無かったことに。教科書に残ったりするような偉人になれば他人より価値がある人間だと思う人間もいるが、人類と地球の寿命もそう長くない。人の中で価値の差は存在しない。が、しかしそれは0の状態になって初めて認知されるもので1の状態である今を生きているならば価値の違いは肌で感じるものだ。

クリスタルメスの常用者にしては元気な感じがした。でも、beautiful boyだからしょうがないと思った。
親になるって本当に難しいな。

いい息子、いい父親のはずなのに。何も間違ってないはずなのに。


現在と過去の行き来がとてもよかった。
“Beautiful Boy” や“Everything”の意味するところが明かされるタイミングが絶妙。

予想を裏切る展開が多かった。いい意味で。どう転んでもおかしくなかったハズ。

“a bit of life
caught within itself”
って、めちゃくちゃいい表現だな。
どんな薬物についての講義よりも良かった。学校は人招くよりこういう映画見せた方がいい。


義母が車で追いかけるシーンが感動した。ここまで父親の葛藤の描写が多かったから、母親が行くのは痺れた、、、母親の強さを感じた。日本は離婚で色々騒ぐけど、血が繋がってない親子でこんなに美しい話があると離婚もそこまで取り上げることでは無いぞと言いたい。日本の文化ではないけどね。


それに比べて薬物を止めない女にイライラしちゃった。過剰摂取での死とこれからの展開をスムーズにするには得策だったと思うけど、こういう素晴らしい映画に女は意思が弱くてちょろいみたいなの写っちゃうのはなぁ〜と思った。個人的にそういう人が嫌いっていうのも入ってるけれども。


全体的に緊張感や空気感が伝わってきて、とてもリアルで内容も視覚的にも美しい作品だった。
テーマがテーマなだけに重いの覚悟してたけども、シャラメさんの演技に吸い込まれるように観てしまった。
でもそれよりも、父親の息子への愛にやられた。息子をどうにか元の世界に戻したいと、四六時中心配し、ときには息子の気持ちを理解するため、薬物摂取したり。
今の家族があるのに、そっちのけで頭の中は息子のこと。

あるとき、息子が薬物を手に入れるためのお金を獲りに、仲間の女と来て、逃げたとき、今の奥さんが爆発し猛スピードで追っかけてたのは、鮮烈に残った。

それで父はようやく息子を助ける役目をやめる覚悟をした。
息子がその後、本気でやめたい、助けてほしいと電話口で言ったとき、(父が)自分にはできないと言って、電話を切ったあと泣いているシーンで、思わず「よく言った、お父さん頑張ったなあ」と言ってしまった。
見放してないし、今でも愛情深いし、息子を想ってるけど、そこからは息子自身の力だと、信じてるように見えた。
薬物依存の怖さ以上に親子の深い愛を見れた映画でした。

しかしアメリカのどこなのか素敵な田舎町と、お洒落ハウスに見惚れてしまったなあ。
やってらんねぇな。救いようがない。
賢く、書き物もできて、水泳もできて、父親と仲がいい自慢の息子だったという背景がさらに視聴者を苦しめた。最後に"これは実話で、いまはもう8年間ドラッグを断っている"という意味のエンドロールだけがポジティブなメッセージだったが、それを見てもああ良かった、とは思えなかった。それほど繰り返しのドラッグ再発シーンがキツく、情けない。
どんなに良い環境で可愛がられて育っても、堕ちるときは堕ちるのだと。そういうメッセージ性のある作品だったように思う。この内容では少々甘やかされすぎて育ったのではと感じざるを得なかったが。後妻が良い人で泣いた。
薬物依存から逃れられない息子と、彼を支えようとする父親の実話を基にしたストーリー。

努力だけではどうにもならない、制御できない衝動、信じても裏切られるの繰り返しに薬物の恐ろしさを感じた。

「世界中の言葉をすべて集めても
 この愛を伝えきれない────
 おまえを想う気持ちこそすべて
 すべてを超えて愛してる」

なんて綺麗な表現なんだろうと思った。この言葉に、父子の物語の"すべて"が詰まっていた。
ドラッグに溺れて止めることができない息子を父親が信じ愛し続ける物語。息子が小さい時の幸せな回想シーンとドラッグで変わってしまった息子との描写が交互に出てきてしんどい。

最後のシーンが良かったなぁ。薬を使った息子にこれまでと違って教訓を述べたりするんじゃなくてただ寄り添ってあげるの。
シャラメくんの複雑な表情とか関わる人の一言一言に、苦しさや辛さを感じた。報われないし、良くなったと思ってもまたすぐ引き戻されるところが薬物依存の描き方としてリアルな気がした。快楽や破滅が大袈裟すぎず綺麗すぎずというところも。詩も音楽も刺さった。後半はなんだかずっと涙が……「家に帰りたい」と言われて断るシーン1番辛かった……

どんより暗いけど、見るべき映画。
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