ごんす

愛がなんだのごんすのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.5
U-NEXT見放題になっていたので久々に2度目の鑑賞したのですが、ながら見するつもりががっつり観てしまった。

観た後誰かに話したくなる傑作!!
というわけでネタバレしちゃうと思うので何も知りたくない人はご注意を。

テルコのような人いそうでいなくて、でも共感してしまう所もあってキツイ。

この映画の嫌われ役に映るマモちゃんみたいな人、ありえない!と思いつつも実は結構多い!(成田凌の顔はしていない)
嫌だなと思いつつも自分にもマモちゃん要素あるかもしれないと注意(成田凌の顔はしていない)


テルコとマモちゃん、中原と桃子それぞれ実世界にいて端から見たらセフレという言葉で割りきられてしまいそうだが。

それぞれの心の内を覗いてみると皆愛おしい部分がある様に思える。

テルコが惹かれ続けるマモちゃんがテルコといる時と違い、
すみれさんの前では好かれようと気使いアピールする!!が、全く相手にされてない…という所なんかをさらっと見せてくれて、今泉監督得意の会話劇の面白さだけでなく映像でスパッと伝えてくれる面白さもあって(過去作も映像の見せ方はお上手ですが)最高でした!

灰皿交換で点数稼ぎする痛さ…(涙)

そして皆大好き、俺達の若葉竜也演じる中原くんがストーリー的にも重要な役を担っていたと思うのですが、
彼もテルコも端から見たらやめておいた方が良いと思われる相手へ想いが向いています。
しかし物語終盤テルコと中原には全く別の展開が用意されていました。
彼とテルコの違いとはなんだったのか、またテルコとマモちゃん、中原と桃子のペアの決定的な違いは何だったのか。

テルコのキャラクターが桃子との会話でもある様にどんな目にあってもちゃんとご飯とか食べれて元気に見えるので救われますが、かなり残酷な所で映画が終わった様に感じました。

テルコは中原の写真のように情熱を注ぐものがなく、マモちゃん優先で仕事もなくなるぐらいのおバカ。

マモちゃんになりたいって思うという劇中の台詞があったのですが、それは相手への熱い想いではなく相手を好きなことだけをアイデンティティにしてしまっていて、これは大変なことになるぞ…と怖くなりました。
しかもちょっとのろけ気味に話してたりして…

中原くんの方は自分が人生において情熱を懸けているであろう写真の中にもしっかりと桃子がいて、それを桃子が自分から観にきてくれるという素敵な展開が待っていた。

中原の真心が桃子にも通じていたのだろうか。
二人にはしっかりと絆があったということなのか。

こう対比するとテルコが何も持たざるもので中原とはっきり明暗が別れてしまい不幸に感じるが、テルコが桃子に中原くんへの態度を怒ったりしたことも少し桃子の心を動かす要因になっていたのだとは思う。テルコグッジョブ。

(桃子もマモちゃんにテルコの扱いについてキレてくれていた)

で、結局テルコはマモちゃんへの執着は自分でも分からない…
象の飼育員さんになってる。
怖いけど面白い。

これは先程も言ったご飯をちゃんと食べるテルコのキャラクターを岸井ゆきのが演じ切ってくれていたのでギリ笑える。
少しでも不健康さがある女優さんだったら更に怖い終わり方になるところでした。

長い人生に置いてはこのぐらいぐちゃぐちゃな時期もあるか…
とはいえキツイ。
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