タシミケイコ

愛がなんだのタシミケイコのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
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劇中に登場するメインキャストは全員が恋愛の最中で、自分自身を俯瞰で見れているようで、全く見れていない。自分の正しさこそ正義と言わんばかりである。全部正しいけど、少しずつズレてる。そのズレは本来、恋人/友人は他人同士であるという圧倒的な交れなさ、分かり合えなさを浮き彫りにしていた。分かり合えなくても私はあなたといたい!という思考が綺麗に収束するのではなく、主人公の逸脱したエゴイスティックな醜悪さが貫かれて良かった。その性格や行動がフィクションであることをより印象付け、話の全体が捉えやすくなった。こういったオフビートな恋愛映画にありがちな"人間くささ"や"あるある"が無くて良い。